沖縄の伝統芸能について[同友会大学第3講]

6月30日沖縄中小企業家同友会主催で、井上秀雄氏(沖縄県立芸術大学名誉教授)

のご講演がありました。

 


お話の内容は、ざっと以下の通りです。

沖縄の芸能は2つに分けられる。 「宮廷芸能(古典芸能)」「民俗芸能」である。

琉球王国が、外国との交流の中から生まれ、中国の冊封使や薩摩の役人をもてなしたのが、宮廷芸能。

稲作などを中心に、収穫への感謝や豊年を祈ることから始まり、神様をもてなしたのが、民俗芸能。

 

「古典芸能」は、3つ。

「古典音楽」「古典舞踊」「組踊り」

 

「古典音楽」は約600年前に、中国から伝わった三線、太鼓、笛、胡弓などが伝わり、既にあった

「うた」にのせて演奏されるようになった。

 

「三線」は、1795年に琉球王府の文書に三味線と記載されている。

更に、蛇皮線(じゃびせん)とも呼ばれていたが、現在は三線で統一されている。

中国の南、泉州、福建あたりから伝わり、その後に改良されて、1500年代には音楽楽器として

定まったとされる。

 

読谷出身の「アカインコ」(赤犬子)が始めたと「オモロそうし」にあるが、事実は不明。

読谷村の楚辺には、「赤犬子宮」がある。

 

1600年代になって、首里王朝に仕えていた、羽地朝秀のいことにあたる幸地賢忠(こうちけんちゅう)という人が、

今の三線の開祖と言われている。

羽地朝秀によって、現うるま市具志川の田場というところに流され、坊主になったが、羽地朝秀が無くなってのちに、

1675年首里の円覚寺(今で言う大学)に戻って働き、茶道頭になった。

 

三線の流派は3つで、「湛水流」「野村流」「安冨祖流」である。

 

三線の型は、7種類あるうちの「真壁型」が現在の主流になっている。

 

「琉球古典舞踊」は、琉球王朝時代に王様のもとで生まれた。

琉球王朝が滅んだ後に出来たものを、「雑踊(ぞぅうどぅい)」という。

初めは、神に祈るために行われた仕草から踊りになったと言われるが、冊封使や薩摩の使者たちの為に踊られた。

 

「舞」とは、巫女が手に笹の葉を持って舞っている姿が原点で、まわる動作が基本・・・神楽→能

「踊」とは、おどり上がる動作が基本・・・出雲の阿国(イズモノオクニ)→歌舞伎舞踊

 

「組踊」は、琉球方言の古語によるセリフを中心に、音楽、所作舞踊によって作られた演劇で、人間国宝の

「宮城能鳳」氏が有名である。

創始者は、琉球王朝の役人であった「玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)」であり、1718年「尚敬王」の

国王任命式の時に、踊奉行に任命された。

王様の使いで江戸に出向いた際に、能、狂言、歌舞伎などの洗練された日本芸能を見て感動し、それがきっかけで

組踊を作ったと言われる。

 

琉球王朝時代は、自由と平等がなかったので、儒教倫理の「忠」と「孝」が中心であった。

「忠」は、王様に従うこと。 「孝」は、親に尽くすこと。

琉球王朝の支配の在り方を組踊の中に取り入れたものと思われる。

 

「雑踊」は、琉球王国が亡び、職を失った役人が芝居小屋で上演していたが、民衆の新たなエネルギー

が吹き込まれ、明治時代中ごろに作られた舞踊のこと。

 

「沖縄芝居」は、雑踊にうたやセリフが加わり、人気が出た。

「歌劇」と「方言芝居」に分かれる。

 

「琉球と沖縄」・・・海外から見ると「琉球」(アメリカも最近まで琉球と呼ぶ。台湾から飛行機に乗ると

「琉球」と表記されている)になり、日本の中から見ると「沖縄」

交易が盛んに行われ、東アジアでは独自の位置にある琉球は、外国から見れば、国家として認知されていた。

そして、1429年尚巴志王のもと、独立国家琉球王国が成立しており、独立国家の形は、明治12年まで続いた。

沖縄には美しい自然があり、祈りの心がある。

垂直思考の本土に対して、水平思考(ニライカナイ)の開かれた精神性がある。

独自の歴史の上に栄えた文化である。

 

感じたこと

ルーツと歴史によって育まれた文化・芸能を、現代の知識・経験によって見るのでなく、背景を知ることで

身近に感じることが出来る。

そして、大事に受け継ぐことが必要であると気付くことが出来た。

会社経営に当てはめると、創業背景を知ることで、創業者が感じた価値あるモノは何かを知ることが

出来るし、経営理念は、実践する際の目的の方向性と捉えることもできる。

時代の変化と共に、薄れるもの、忘れるものなどがある中で、意図的に残すものとしてアイデンティティ

があると考えます。

そこを、全従業員に受け継がせることが、経営幹部の大きな仕事の一つかもしれない。

そして、その大切なコアの考え方の共鳴者を作り続けることが、企業の持続的発展に繋がると思います。

 

何かに当てはめて考えてみると、面白い視点が生まれるかもしれませんね。

 

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